皆さんは毎日どれくらいの時間をスマートフォンの画面を見て過ごしていますか。
ふと気づくと1時間も2時間も経過していたという経験は誰にでもあるはずです。
わたしは以前、Webマーケティングの会社で働いていました。
仕事柄、常に最新の情報を追いかける生活を送っていたのです。
来る日も来る日もニュースサイトやSNSを巡回し、トレンドをチェックする毎日でした。
しかし、ある出来事をきっかけに時間の使い方を根本から見直すことになります。
それ以来、情報の摂取方法を劇的に変えました。
結果として、ストレスが減り、本当にやりたいことに使える時間が大幅に増えています。
この記事では、現代人が陥りがちな「情報の罠」から抜け出す方法をお伝えします。
無意識にスマホを見てしまい、時間を浪費していると感じている方の悩みを解決できるはずです。
スマホ時代だからこそ時間の使い方に気をつけたほうがよい

現代において、時間はもっとも貴重な資源です。
しかし、わたしたちの時間はかつてないほど奪われやすくなっています。
理由は明確です。
世界中の優秀なエンジニアや心理学者が、あなたの時間を奪うために知恵を絞っているからです。
わたしたちが手放せないiPhone15やAndroid端末の中には、無数のアプリが入っています。
それぞれのアプリは、通知や魅力的な見出しで注意を引きつけようと必死です。
油断をしていると、あっという間に時間は過ぎ去ってしまいます。
スマートフォンの画面の向こう側には、依存させるための仕組みが張り巡らされています。
次から次へと新しい情報が表示される「無限スクロール」はその代表例です。
脳は新しい情報を報酬と認識するため、指を動かすのをやめられなくなります。
この仕組みに無自覚なままでは、人生の主導権を他人に明け渡しているのと同じです。
自分の意志で情報をコントロールしなければなりません。
流れてくる情報をただ受け入れているだけでは、大切な人生を浪費して終わります。
まずは「自分の時間は狙われている」という自覚を持つことがスタートラインです。
そのうえで、意識的に防衛策を講じる必要があります。
偶然目にした論争で失った時間と感情

わたしが時間の使い方を見直すきっかけになったのは、ある日の通勤電車での出来事でした。
いつものように何気なくニュースアプリを開き、タイムラインを眺めていたときのことです。
画面に流れてきたのは、ある男女論争に関するツイートを取り上げたニュースでした。
まったく面識のない人同士が、汚い言葉で罵り合っています。
本来であれば、わたしの人生には1ミリも関係のない出来事です。
しかし、その激しい言葉の応酬を見て、わたしはひどくイライラしてしまいました。
「なんでこんなひどいことが言えるんだ」
「この考え方はおかしいのではないか」
気づけば、そのニュースのコメント欄まで読み込んでいました。
さらには関連するほかの記事まで検索し始めていたのです。
電車を降りて会社に着くまでの約30分間、わたしはずっとその話題に囚われていました。
ふと我に返ったとき、強烈な虚無感に襲われます。
「なんでこんなニュースを見ているのだろう」
見たくもないニュースを見て、勝手にイライラして、時間を無駄にした感覚だけが残りました。
その30分があれば、好きな本を読めたはずです。
あるいは、心地よい音楽を聴いてリラックスできたかもしれません。
それなのに、わざわざ不快になる情報を摂取し、ストレスを溜め込んでしまったのです。
この経験は、自分の情報摂取のあり方に大きな疑問を投げかけました。
無意識にスマホを操作することの恐ろしさを、身をもって体験したからです。
自分の人生にこの時間は必要だったのか

冷静になって考えてみると、あの時間は完全に不要でした。
自分の人生を豊かにする要素がひとつもなかったからです。
情報は本来、人生を良くするために取り入れるものです。
しかし、多くのニュースやSNSの話題は、単なるノイズに過ぎません。
芸能人の不倫、見知らぬ誰かの炎上、不安を煽るだけの経済予測。
これらを知ったところで、明日の生活が良くなるわけではないのです。
むしろ、ネガティブな感情を引き起こし、精神的なエネルギーを奪っていきます。
時間は「命そのもの」と言い換えることができます。
私たちに与えられた時間は有限です。
80歳まで生きるとしても、人生はわずか4,000週間ほどしかありません。
その貴重な数分、数時間を、見たくもないニュースに捧げてよいのでしょうか。
答えは明白です。
自分の人生に関係のない、しかも不快な情報に命を使う必要はありません。
わたしは「この情報は今の自分に必要なのか」と常に自問するようになりました。
情報の断捨離です。
部屋にゴミが落ちていたら捨てるように、頭の中に入ってくるゴミ情報も遮断しなければなりません。
必要のない情報を遮断することは、逃げではありません。
自分の人生を守るための、積極的な防衛行動なのです。
人生は楽しいことにだけ時間を使っていきたい

ネガティブな情報を遮断したあとに残るのは、自分が本当に大切にしたい時間です。
わたしは、自分の人生は楽しいことや幸せを感じることに集中させるべきだと決めました。
もちろん、仕事や生活上の義務から逃げるという意味ではありません。
自由になる可処分時間の使い方の話です。
誰かの悪口や悲惨なニュースを見る時間があるなら、その分をプラスの活動に充てるのです。
たとえば、美味しいコーヒーを淹れて味わう時間。
大好きな映画を見て感動する時間。
友人と笑いながら食事をする時間。
あるいは、新しいスキルを身につけるための勉強の時間。
これらはすべて、人生を豊かにし、エネルギーをチャージしてくれます。
一方で、ネット上の論争や煽りニュースはエネルギーを消費させるだけです。
どちらに時間を使うかで、人生の質は大きく変わります。
「楽しいことにだけ時間を使う」というのは、わがままではありません。
自分の精神衛生を保ち、周囲の人にも優しく接するための基盤になります。
自分がイライラしていては、家族や友人にも良い影響を与えられません。
ニュースを見て勝手に怒っている人は、知らず知らずのうちに周囲に負のオーラを撒き散らしています。
そうならないためにも、情報の入り口を厳選し、心穏やかに過ごす選択をすべきです。
心地よい時間を増やすことは、自分自身への最大のプレゼントになります。
見るニュースのジャンルは絞ったほうがよい

では、具体的にどうすればよいのでしょうか。
もっとも効果的な方法は、見るニュースのジャンルを極限まで絞ることです。
多くのニュースアプリやポータルサイトは「総合」や「エンタメ」が初期設定になっています。
ここが諸悪の根源です。
ここには、閲覧数を稼ぐために刺激的に加工された記事が溢れかえっています。
わたしは、自分にとって本当に必要なジャンル以外はすべて非表示にしました。
たとえば「経済」「テクノロジー」「グルメ」などです。
これらは自分の仕事や趣味に直結するため、見ていて苦になりません。
むしろ新しい発見があり、生活を豊かにしてくれます。
一方で「芸能」「ゴシップ」「社会(事件・事故)」などのジャンルは意識的に外しました。
これらは感情を揺さぶるだけで、実益が少ないことが多いからです。
ジャンルを絞ることで、入ってくる情報の質が劇的に変わります。
アプリを開いたときに、自分の興味のある話題だけが並んでいる状態を作るのです。
これなら、不用意に不快なニュースを目にするリスクを減らせます。
もし、iPhone14などでニュースアプリを使っているなら、今すぐ設定画面を開いてください。
タブの並び替えや削除ができるはずです。
デフォルトのまま使い続けるのは、編集者の意図通りに時間を搾取されているのと同じです。
自分好みにカスタマイズしてこそ、道具として使いこなしていると言えます。
見たくもないニュースが目に飛び込んでくるのを防ぐ

ジャンルを絞っても、まだ不十分な場合があります。
AIが「おすすめ」として、過去の閲覧履歴から似たような記事を表示してくるからです。
また、広告として不快な見出しが表示されることもあります。
これに対抗するには、より積極的な「拒否」のアクションが必要です。
ニュースサイトやアプリには、特定のメディアやトピックをブロックする機能があります。
これを使わない手はありません。
たとえば、不快な記事を配信する特定の週刊誌系メディアがあるとします。
その記事を見つけたら、すぐにメニューを開き「このメディアの記事を表示しない」を選びます。
これを繰り返すことで、タイムラインは徐々に浄化されていきます。
また、「興味がない」ボタンも積極的に活用します。
AIに「こういう話題は嫌いだ」と学習させるのです。
最初は面倒に感じるかもしれません。
しかし、このひと手間が、将来の数時間を守ることにつながります。
わたしはこれを「デジタル庭いじり」と呼んでいます。
雑草(不要な情報)をこまめに抜き、美しい花(有益な情報)だけが咲く庭を作る作業です。
手入れを怠れば、すぐに雑草だらけになってしまいます。
さらに、プッシュ通知もすべてオフにすることをおすすめします。
緊急地震速報などを除き、ニュースアプリの通知は百害あって一利なしです。
「重要なニュースを見逃すのではないか」と不安になる必要はありません。
本当に重要なニュースなら、誰かが話していたり、別のルートで必ず耳に入ってきたりします。
スマホはあくまで自分が使う道具です。
スマホに使われてはいけません。
情報の入り口を厳しく管理することで、平穏な日常を取り戻せます。
結論:情報の遮断が人生の質を高める
最後に、これまでの話をまとめます。
見たくもないニュースを遮断し、時間の使い方を見直すことは、人生の幸福度を大きく向上させます。
理由は単純で、不快な情報によって発生するストレスを根本から断てるからです。
現代人のストレスの多くは、知らなくてもよい情報を知ってしまうことに起因しています。
具体的には、ニュースアプリのジャンル設定を「経済」や「趣味」だけに絞り、ゴシップや事件のタブを削除してみてください。
最初は物足りなさを感じるかもしれませんが、すぐに心が軽くなるのを実感できるはずです。
空いた時間で読書をしたり、ゆっくり入浴したりすることで、生活の質は格段に上がります。
結果として、わたしは以前よりも穏やかな気持ちで毎日を過ごせるようになりました。
時間の使い方は、そのまま命の使い方です。
どうでもいいニュースに命を削るのをやめ、自分の幸せのために時間を使ってください。
今日からスマホの設定を見直し、あなただけの静かで豊かな時間を取り戻しましょう。