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Orcaとは?Claude Codeを並列で回すADEの使い方

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Orca(Claude Codeを並列で回すADE)

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SESで約8年、環境を変えられないもどかしさの中にいました。32歳で自社開発企業に転職し、今はClaude Codeと自動化で、仕事も時間も組み直している途中です。
・Javaバックエンドエンジニア(Java歴12年以上)
・資格:基本情報技術者/応用情報技術者/Java Silver/Python3エンジニア認定基礎
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サブエージェントに記事のリライトを任せたら、最新のはずのHTMLではなく、古い版を土台に書き直されていました。

原因はgit worktreeです。未コミットの変更は、隔離された作業場所には持ち込まれません。

この隔離を土台に、複数のCLIエージェントを並べて動かす。それがOrcaというアプリ。

Orcaとは、Claude CodeやCodexなどを、タスクごとに独立したgit worktreeで並列実行して1つの画面で管理する、オープンソースのデスクトップアプリです。

本体はMITライセンスで無料、費用はエージェント側の契約分だけです。

この記事でわかること

  • Orcaでできることと、画面要素への指示、Markdownビューア、セッション履歴などの便利な機能
  • 手動のworktree運用やcmux、Supersetと比べた違い
  • インストールの流れと、最初に見直す権限設定
  • スマホアプリでできること、できないこと
  • メモリ消費などの注意点と、向く人・まだ早い人

PARTS LIST /目次

Orcaとは?ADEの定義と押さえたい前提

Orcaは、複数のAIエージェントを同時に走らせ、進み具合とレビューを1つの画面に集めるアプリです。リポジトリ(stablyai/orca)は2026年3月17日に作られ、2026年9月21日時点でスターが7万を超えています。

OrcaはClaude Codeなどのエージェントを動かす側のアプリです。Claude Code自体の使い方は、Claude Code使い方|導入から実践活用までで先に押さえておくと迷いません。

ADE(エージェント開発環境)とは

ADEはAgent Development Environmentの略です。エディタにAIを足すIDEとは逆で、エージェントの実行と監督が画面の主役になります。

項目内容
ライセンスMIT(無料のオープンソース)
対応OSmacOS、Windows、Linux(スマホアプリはiOSとAndroid)
対応エージェントClaude Code、Codex、Cursor CLI、Gemini、OpenCodeなど40種以上(任意のCLIも起動できる)
隔離の仕組みタスクごとのgit worktree
主な機能分割ターミナル、diffレビュー、GitHubとLinearの連携、SSH実行、Design Mode

Orcaがやらないこと

公式ドキュメントは、Orcaでないものを3つ挙げています。

  • AIモデルではない:ClaudeやCodexのサブスクリプションは自分で用意する
  • gitの置き換えではない:各worktreeは本物のgit worktreeで、通常のgitコマンドが使える
  • マネージドなVPS製品ではない:リモート実行はできるが、クラウドのアカウントは自分で管理する

料金は無料で費用はエージェント側

Orca本体に利用料はありません。お金がかかるのは、Claude CodeやCodexの契約です。並列で回すほど、利用枠の減りも早くなります。

Orcaでできることと便利な機能の一覧

Orcaはworktreeの並列実行を軸に、エディタ、ブラウザ、Git、課題管理、リモート、スマホまでを1つのアプリに入れています。ターミナルとエディタとブラウザを行き来する作業が、1つのウィンドウで済むのが特徴です。

できることの全体像

機能できること
並列worktreeタスクごとに隔離した作業場所で、エージェントを同時に動かす。1つのプロンプトを複数へ一斉送信もできる
分割ターミナルターミナルをタブと分割レイアウトで並べられる。スクロールバック内の検索や、GhosttyとWarpのテーマのインポートもできる
セッション管理過去のセッションを一覧、検索、再開できる。Orca外で始めたセッションも見える
エディタVS Code系のエディタ。Markdownはリッチ表示で読み書きでき、Mermaid図も描画される
ブラウザとDesign Modeworktreeごとに内蔵ブラウザを持ち、画面の要素をクリックして指示できる。エージェントにブラウザやデスクトップアプリを操作させることもできる
diffレビュー差分の行にMarkdownでコメントを付け、複数まとめて返送できる
外部サービス連携GitHubのPR、Issue、Projects、Linear、Jiraを画面内で扱え、issueからworktreeを作れる。GitLab、Bitbucket、Azure DevOps、Giteaにも対応する
複数アカウント再ログインなしで切り替え、ステータスバーで利用量を確認できる
CLI自動化orca コマンドで、worktreeやターミナルをシェルから操作できる
SSH実行リモートサーバー上のworktreeで、エージェントを動かせる
スマホアプリiOSとAndroidから、状態の確認、返信、コミットができる

作業が楽になる小さな便利機能

機能内容
Quick Open(Cmd-P)現在のworktree内のファイルを検索する。gitignore対象のファイルは、一覧の後ろに出る
Worktree Jump Palette(Cmd-J)全worktreeと開いているタブを横断して検索する。一致するworktreeがなければ、入力した文字列で新規作成を提案される
ブラウザのcookieインポートChromeとEdgeのcookieを、設定画面かブラウザのツールバーから取り込める。Googleアカウントのcookieだけは取り込めず、Orca内で直接サインインする

worktreeが増えるほど横断検索が効く。ショートカットは、Settings → Shortcuts で割り当てを変えられます。

Markdownビューアとしても使える

エージェントは、計画書やREADMEをMarkdownで書きます。Orcaは、その読み書きを同じ画面で済ませられる。

Markdownはリッチ表示で開き、見出し、リスト、コードブロック、コールアウト、画像、Mermaid図を整形して読めます。

編集は、空行で / を打つとスラッシュメニューが開き、トグルブロックなどを挿入できる。表はTabキーでセルを移動し、Enterで行を足せます。

Cmd-Shift-M で、リッチ表示と生のMarkdown編集を切り替えられます。

プランドキュメントやREADMEは、相対リンクをたどって別の文書へ移れる。

600KBを超えるファイルは、応答性を保つため生の編集画面で開き、「Open anyway」でリッチ表示に切り替えます。

形式できること
MermaidMarkdownのプレビュー内に図を描画する。単体の .mmd は、拡大と移動ができる専用ビューアで開く
HTMLサンドボックス化したブラウザタブで描画する。横に並べて表示するプレビューもある
PDFスクロール、ズーム、テキスト選択ができる。タブを切り替えても、スクロール位置が戻る
画像PNG、JPG、SVG、WebP、GIFを開ける。画像の差分表示もある
CSVとTSV並べ替えと検索ができる表として開く
Jupyter.ipynb をセルの実行なしで表示する(ベータ版)

読むだけでなく、書き込みも支えます。ファイルは、フォーカスが外れたときと短い待機のあとに自動で保存され、未保存の印は出ません。

エディタタブの変更ビューでは、HEADの版と作業中の内容を並べて比べられる。

左のファイルエクスプローラーは、エージェントの変更を即座に反映し、Gitの状態(未追跡、変更済み、ステージ済み)で色分けします。

FinderやExplorerからのドロップで、ファイルをコピーできる。エージェントのターミナルへドロップすると、ファイルパスがプロンプトに入ります。

画像は、Markdownエディタへドロップするとカーソル位置に入る。

構文ハイライトは、Monacoが標準で対応する言語に限られます。型チェッカーやリンターは、ターミナルのペインで動かす設計です。

手動運用や他ツールと比べて何が便利か

並列運用そのものは、Orcaがなくてもできる。git worktreeとターミナルのタブがあれば足ります。Orcaが引き受けるのは、worktreeの用意から、状態の確認、レビューの返送までの細かい手間です。

git worktreeの手動運用との違い

作業手動運用Orca
worktreeの作成git worktree add でディレクトリとブランチを自分で用意する画面から作成し、作成元のブランチも選べる
依存のインストールworktreeごとに手で実行する作成時の自動実行コマンド(Settings → Repository)を設定できる。node_modulesのような大きなディレクトリは、symlinkで共有もできる
エージェントの状態タブを順に開いて確認する状態アイコンで、実行中、入力待ち、完了が分かる
完了の気づき自分で見回る完了はシステム通知とサウンドで届き、入力待ちは「Needs You」の件数で追える
過去のセッションを探すclaude --resume の一覧から探すタイトル、ブランチ、モデル、会話のプレビューで検索して再開する
レビューの指摘GitHubやチャットに書き写して返すdiffの行にコメントし、まとめて返送する
画面の不具合の伝達セレクタを調べ、スクリーンショットを撮って貼るDesign Modeで要素をクリックして渡す
席を離れたとき状況が分からないスマホアプリで確認と返信ができる

この手間を感じていないなら、Orcaを入れる理由は薄いままです。

あわせて読む

cmuxやSupersetとの違い

同じ領域には、性格の違うツールがいくつかあります。以下は2026年9月時点の公式情報です。

ツール特徴Orcaとの違い
cmuxGhosttyベースの、macOS専用ネイティブターミナル。基本版は無料のGPLオープンソース。公式サイトにworktree隔離の機能は載っていないOrcaはworktreeの作成まで面倒を見る。WindowsとLinuxにも対応する
Supersetworktree隔離、diffとエディタ、ブラウザ、定期実行の自動化を備える。ライセンスはElastic License 2.0で、macOSが先行している役割は近い。Supersetは、リモートアクセス、Linear連携、モバイルアプリが有料のProプラン(月20ドル、年払いで月15ドル)の範囲。Orcaは、SSH実行もLinear連携もMITの無料本体に含む
Cursorエディタに単一のエージェントを統合するOrcaは、複数エージェントの並列運用が主目的

ターミナルだけで足りるならcmux、定期実行や有料プランまで含めて見るならSuperset。

MITライセンスで3つのOSに対応する並列環境が欲しいなら、Orcaが候補に入ります。

Orcaのインストール手順と初回設定

インストールは、公式サイト(onOrca.dev)からのダウンロードか、Homebrewなどのパッケージマネージャーで行います。最初に見直したいのは、エージェントの権限設定です。Orcaは既定で権限確認を省く設定にするため、初回のうちに手を入れておくと安心です。

macOS・Windows・Linuxの入れ方

OS入れ方
macOSbrew install --cask stablyai/orca/orca、またはDMGのダウンロード(Apple SiliconとIntel)
Windows公式サイトのインストーラー(Windows 10と11のx64)
LinuxAppImage、deb、rpm(起動コマンドは orca-ide)
Arch Linuxyay -S stably-orca-bin(AUR)
# macOS(Homebrew)
brew install --cask stablyai/orca/orca

# Arch Linux(AUR)
yay -S stably-orca-bin

Linuxの起動コマンドが orca-ide なのは、スクリーンリーダーのGNOME Orcaと名前がぶつかるためです。

導入の流れは公式ドキュメントの手順に沿っています。画面は実機で確認していません。

step
1
Orcaをインストールして起動する

上の表のどれかで入れる。

step
2
git管理下のリポジトリを登録する

worktreeはgitの機能なので、git管理下のフォルダが前提です。

step
3
worktreeを作成する

作成元は、ベースのブランチ、別のローカルブランチ、コミット、リモートブランチから選べる。作成はバックグラウンドで進み、進捗はサイドバーに出ます。

step
4
エージェントを選んでプロンプトを送る

契約済みのCLI(Claude CodeやCodexなど)を選ぶ。CLI自体は、事前に自分で入れておく必要があります。

権限バイパスの初期値を確認する

Orcaは起動時、各CLIの権限確認を省くフラグを自動で付ける。

Claude Codeなら --dangerously-skip-permissions、そのほかのプリセットは --yolo などです。

worktreeはサンドボックスではありません
worktreeはgitの作業ツリーで、ファイルやネットワークへのアクセスを閉じ込める仕組みではありません。権限確認を省いたエージェントは、作業場所の外も触れます。Settings → Agents でManualに切り替えると、各エージェントの承認フローが残ります。

権限モードはYoloとManualの2つです。Yoloは権限の確認が減り、Manualは各エージェント自身の承認フローが残ります。typo修正のような定型変更はYolo、スキーマ変更や認証まわりのように失敗の被害が大きい作業はManualが向きます。

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worktreeでエージェントを動かす基本操作

Orcaの操作は、worktreeを作り、エージェントを走らせ、色とInboxで様子を見る、の繰り返しです。1タスクにつき1worktreeが基本で、状態はアイコンと通知で追えるため、タブを順に開いて確かめる作業はほとんど要りません。

タスク1つにworktree1つの考え方

git worktreeは、1つのリポジトリから別ディレクトリに作業ツリーを増やす、gitの標準機能です。

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ブランチごとに独立した作業場所を持つため、エージェント同士がファイルを上書きし合いません。

冒頭の事故は、この仕組みが原因でした。worktreeは作成元のコミットから作られるので、未コミットの変更は届きません。

私のケースでは、コミット前の最新HTMLを持たない作業場所で、エージェントが古い版を読んでいました。

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Orcaのworktreeも本物のgit worktreeです。依頼前に、必要な変更をコミットしておくのが安全です。

状態アイコンでエージェントの様子を読む

表示状態
スピナー実行中
琥珀色の疑問符権限の確認や入力の待ち
エメラルド色のチェック完了
赤いドットブロック、中断、失敗
グレーのドットアイドル
表示なし認識されていないエージェント

状態は、ターミナルのタイトル信号とエージェントのフックから自動で検出されます。入力待ちの件数は、サイドバーの「Needs You」で追えます。

状態アイコンで3つのエージェントを見分ける
1
A 実行中 / B 実行中 / C 実行中3つのworktreeでエージェントが実行中実行中はスピナーで表示される。Needs You:0件
2
A 実行中 / B 入力待ち / C 実行中Bが琥珀色の疑問符に入力待ちは「Needs You」の件数に入る。Needs You:1件
3
A 完了 / B 入力待ち / C 実行中Aがエメラルド色のチェックに完了はシステム通知とサウンドで届く。Needs You:1件
4
A 完了 / B 入力待ち / C 失敗Cが赤いドットにタブを順に開かなくても、アイコンで状態が分かる。Needs You:1件
NOTEworktree A〜Cと状態の移り変わりは説明用の例です。アイコンの意味は上の表のとおりです。

3エージェントで同じ課題を競わせる

公式チュートリアルには、3つのエージェントに同じ課題を渡して、結果を比べる使い方があります。

1つのプロンプトを複数のエージェントへ一斉に送るfan out機能もあり、READMEは5エージェントへの展開を例に挙げています。

出力を並べて比べられるので、モデルごとの得意不得意を見たいときに向く。

Claude Codeのセッション履歴から再開する

Orcaの右サイドバーには、Agentsタブの「Agent Session History」があります。

対応エージェントが残したトランスクリプトを読み込み、過去のセッションを一覧、検索、再開できます。

検索の軸は、セッションのタイトル、作業ディレクトリ、ブランチ、モデル、会話のプレビューです。

表示範囲は、Workspace、Project、Allの3段階で切り替える。

~/.claude の履歴を読むため、素のターミナルで始めたセッションも一覧に出ます。

機能内容
Session restore再起動後も、worktree、分割レイアウト、スクロールバックが戻る。アプリを閉じても、エージェントのプロセスは止まらない
Chat UI(実験的)Claude、Codex、Grok、OMPのローカルセッションを、構造化されたチャットタブで表示する。ツールの進捗とファイル変更の差分が出る(WSL、リモート、SSHは対象外)
Agents feed全worktreeのエージェントのイベントを、スレッド形式で一覧する。実行中のものは上に固定される
サブエージェントとAgent TeamsClaude Codeのリードエージェントの下に、展開できる子行として表示される

Claude Codeの会話内容そのものが再起動後に戻るかは、公式に明記がありません。会話の再開は、履歴のResumeを使います。

リモートのworkspaceでは、履歴を見られても再開はできません。再開のコマンドは、Orcaを表示しているマシンで動くためです。

素のClaude Codeでの再開手順は、下の記事にまとめています。

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レビューと通知で評価される2機能

並列運用で詰まりやすいのは、実行よりも確認の作業です。エージェントが増えるほど、どれが終わり、どこで止まり、どの差分を見るべきかを追う負担が膨らみます。Orcaは、その確認をレビューと通知の2機能で支えます。

Annotate AI Diffでコメントをまとめて返す

Orca内のdiffビューアで、差分の行にMarkdown形式のコメントを付けられます。

付けたコメントは、複数まとめて1回でエージェントへ返送できる。

GitHub上でPRレビューを往復する手順が要らず、レビュー中に見つけた点を一括で直させる流れが、Orcaの中で完結します。

通知とInboxで割り込みを減らす

プロンプトが戻った見た目だけでは、完了なのか質問待ちなのか区別がつきません。Orcaは、完了と入力待ちを別の状態として持ちます。

  • エージェントが作業中からアイドルに変わると、システム通知、サウンド、worktreeのチップで知らせる(Agent-finished pings)
  • ヘッダーのベルに全worktreeの未読が出て、クリックで該当のworktreeとペインへ移動できる(Persistent bell)
  • macOSでは、Dockアイコンにも未読数が出る
  • 右クリックで、通知を未読に戻せる(Mark unread)
  • 通知の種類ごとに、システム通知、サウンド、チップを切り替えられ、カスタム音声も選べる

Design Mode・CLI・リモート実行の使いどころ

Design Mode、CLI、リモート実行は、フロントエンド開発、自動化、長時間タスクを抱える人ほど効く機能です。リモート実行は、手元のPCを閉じても処理を続けたいときの選択肢で、CLIは、エージェント自身にOrcaを操作させたいときに使います。

Design Modeで画面要素を伝える

Orcaはworktreeごとに、アドレスバー、履歴、devtoolsを備えた独立のChromiumを持つ。

ツールバーのトグルをオンにすると、カーソルが要素のピッカーに変わり、指した要素が強調されます。

クリックすると、次の4つが1つの添付になり、エージェントのチャットへ渡ります。

  • 要素の外側のHTMLと、周辺のコード
  • 色、フォント、余白を含む計算済みCSS
  • 要素を切り抜いたスクリーンショット
  • 対応するソースのファイルと行(開発モードのsource mapが使えるとき)

修正の内容は、添付を付けたプロンプトに文章で書く。要素の位置とソースが添付されるため、「この余白を詰めて」で通じます。

変更前に、ページ上へ複数の注釈を残せる。各注釈は、編集、保存、取り消しができます。

エージェントが編集を終えると、Orcaが自動で再読み込みする。同じ要素をもう一度クリックして、結果を確かめられます。

セレクタを調べ、スクリーンショットを撮り、ファイルを貼る往復が、クリック1回で済みます。

エージェントに画面の要素を操作させる

向きが逆の使い方もあります。エージェント自身が、Orca内のブラウザの要素をクリックし、文字を入力する。

使うのは、orca snapshot、orca click、orca fill などのコマンドです。同じタブ、同じセッションで動きます。

ブラウザの外は、Computer useが担います。アクセシビリティツリーとスクリーンショットを使い、Safariなどのデスクトップアプリを、クリック、文字入力、スクロール、ドラッグで操作する。

動きは、状態の取得、操作、再取得での検証の繰り返しです。macOSでは、アクセシビリティとScreen Recordingの権限が要ります。

エージェントにComputer useを使わせるには、Orcaが配布している computer-use スキルを、エージェントに入れておく必要があります。スキルが入っていないと、エージェントはデスクトップアプリを操作するコマンド(orca computer)を使うべき場面だと判断できません。

入れ方は2通りです。Orcaの設定画面から入れるか、npx skills add で入れます。公式ドキュメントによると、最初のエージェント設定では、orca-cli、orchestrationと一緒に入ることが多いとされています。

以下は公式ドキュメント(Computer use、Skills registry)の記載に沿った例で、私は実行していません。

# computer-useスキルをエージェントに入れる
npx skills add https://github.com/stablyai/orca --skill computer-use --global

# 権限と対応状況を確認
orca computer permissions --json
orca computer capabilities --json

# 状態の取得 → 操作 → 再取得
orca computer list-apps --json
orca computer get-app-state --app com.apple.Safari --json
orca computer click --app com.apple.Safari --element-index 42 --json

permissions で足りない権限が出たら、システム設定で「Orca Computer Use」にアクセシビリティとScreen Recordingを許可し、もう一度確認します。--element-index の番号は直前の get-app-state の結果でしか通用しないため、画面が変わったら状態を取り直します。

orca CLIでworktree操作を自動化

CLIは設定画面で登録します。登録後は、シェルやエージェントからOrcaを操作できます。

以下は公式リファレンスの記載に沿った例で、私は実行していません。<terminal> には、対象のターミナルを指定します。

# worktreeの一覧をJSONで取得
orca worktree ps --json

# 端末にテキストを送って実行
orca terminal send --terminal <terminal> --text "continue" --enter --json

# エージェントが入力待ちに戻るまで最大300秒待つ
orca terminal wait --terminal <terminal> --for tui-idle --timeout-ms 300000 --json

# Orcaの状態をJSONで取得
orca status --json

terminal wait は、送信直後に次の指示が滑る問題を防ぐ、同期用のコマンドです。

エージェント自身がOrcaを操作する使い方もあります。orca worktree create には、エージェントを指定する --agent、初期の指示を渡す --prompt、セットアップの扱いを決める --setup(run、skip、inherit)があります。

SSHとモバイルで手元から切り離す

リモートのworktreeを登録すると、接続が切れても、リモート側のエージェントは止まりません。Orcaが再接続し、出力を再生して画面を戻します。

デスクトップのアプリを閉じても、既定の5分間は、再接続すればセッションが復元されます。

リモート環境の用意と費用は自前です。常時稼働のマシンにランタイムを置くRemote Orca Serverなら、ノートPCを閉じても処理が続き、ノートPC、ブラウザ、スマホから接続できます。

外出先から見守りたいだけなら、SSHよりスマホアプリのほうが手軽。

スマホアプリ(モバイルコンパニオン)でできること

Orcaのスマホアプリは、デスクトップで動くエージェントを、外出先から見守って返信するための遠隔操作アプリです。公式ドキュメントは、意図してフルのエディタにはしていないと明記しています。状態を見て、入力待ちに返事をし、変更をコミットするところまでが守備範囲です。

スマホアプリの入手先とベータ状態

iOSはApp Storeの「Orca IDE」、AndroidはGitHub ReleasesのAPKから入れます。Androidは、Google Playを介さず手動で入れる方式です。

Orca IDE

Orca IDE

Lovecast LLC無料posted with アプリーチ

2026年9月21日時点で、公式ドキュメントはモバイルアプリをベータ版と位置づけています。

ペアリングの流れと接続方式

step
1
デスクトップのアカウントメニューを開く

ペアリング用のワンタイムコードを生成します。有効期限は数分です。

step
2
スマホアプリでペアリングを選ぶ

生成したコードを入力します。

step
3
接続方式を選ぶ

公式ドキュメントが挙げる接続方式は、次の3つです。

接続方式位置づけ
Orca Relay公式が、利用できる場合に推奨する方式
ローカルネットワーク(LAN)同じネットワーク内で直接つなぐ
TailscaleTailscaleのネットワーク経由でつなぐ

LANなどの直接接続は、デスクトップを閉じると切れ、開き直すまで戻りません。スマホは窓口で、エージェントの実行を握っているのはデスクトップです。

スマホからできる操作とできない操作

スマホからできる操作とできない操作
CAN / できるスマホからできる・全worktreeの状態を見て、ファイルツリーを閲覧する・チャットUIかターミナル表示で、エージェントのセッションを開き、出力をコピーする・入力待ちのエージェントへ、短い返信や写真、ファイルを送る(音声入力にも対応)・変更ファイルをstageし、commitする・ブラウザのセッションを表示する・エージェントのアカウントを切り替える
CANNOT / できない・向かないできない・向かない・本格的なコード編集(公式が、意図してフルのエディタにしていないと明記)・デスクトップを閉じた状態での、直接接続による操作(切れる)・エージェントの実行制御そのもの(実行しているのはデスクトップ)

返信はマイクボタンの音声入力でもできます。移動中に「続けて」と一言返す使い方に向く。

完了のpush通知は、Orcaのpushサービス経由でiOSとAndroidへ配信する仕組みが、2026年9月11日に取り込まれました。直後に一時的な差し戻しの予定も記されており、公式ドキュメントにはまだ記載がありません。動作は最新版で確かめる必要があります。

導入前に知っておきたい注意点

Orcaで先に詰まるのは、機能ではなく資源と運用です。特にメモリは、動かすエージェントの数に応じて膨らみます。更新の速いプロジェクトなので、設定や挙動が変わる可能性も見込む。次の表の数字は、報告値や公式の記述で、環境によって変わります。

項目内容
待機時のメモリ400〜800MB(Electron製)
5エージェント並列時約10GBの報告あり
メモリを最も使うものブラウザのタブを多数開いた分割レイアウト(公式ドキュメント)
worktreeの作成バックグラウンドで進む。完了を待ってから指示を送る
git管理外のフォルダworktreeがgitの機能なので、git管理下のフォルダが前提
リモートのLinuxホストターミナルの利用に、make、C++コンパイラ、python3が必要
未処理のIssueとPR6,000件超(2026年9月21日時点、GitHubの集計)
リモートのworkspaceセッション履歴は見られるが、再開はできない。チャットUIも使えない
スマホアプリベータ版。フルのエディタではなく、直接接続はデスクトップを閉じると切れる

並列台数に比例するメモリ消費

メモリが限られたマシンでは、並列数を絞るのが現実的です。

対策として、完了済みで直近の入力がないエージェントを休止する機能(Settings → Experimental)があります。既定は30分のアイドルで、設定範囲は1分から24時間です。

再開は claude --resume <id> で、会話履歴と作業ディレクトリが戻ります。

台数が増えるほど増えるレビュー負荷

並列にして増えるのは、メモリだけではありません。レビューするdiff、通知、利用枠の消費も、台数に比例して増えます。

レビューは人間に残る作業です。並列の上限を決めるのはOrcaではなく、自分の確認の速さになります。

Orcaにできるのは、通知と一括返送で、その負担を軽くするところまでです。

Orcaを入れるべき人・まだ早い人

Orcaが効くかどうかは、いまの作業のどこで手が止まっているかで決まります。手動運用でも困っていない人には、入れる手間のほうが大きい。迷うときは、いまの並列度と、確認にかかっている時間で決めます。下の2つが目安です。

向いている人の条件

Orcaを入れる価値が高い人・まだ早い人
FIT / 入れる価値が高い入れる価値が高い人・stashやブランチ切り替えでミスをしたことがある・diffへの指摘を、手作業でエージェントに書き写している・エージェントの終了確認のため、定期的にターミナルを見回している
NOT YET / まだ早いまだ早い人・エージェント1体で足りている・利用枠の上限に頻繁に当たり、並列度を上げる余地がない・メモリが限られたマシンで作業している

試す順序と最初の対策

試す順序は、まず1体のエージェントで足りているかの確認です。worktreeの手動運用で手が止まった時点が、Orcaの出番になります。

冒頭の事故は、Orcaを入れても防げません。並列にする前に、依頼するファイルをコミットしておくのが最初の対策です。

Orcaのよくある質問

Orcaの導入前によく出る疑問に、2026年9月21日時点の公式のREADMEとドキュメントで確認できた範囲で答えます。設定画面の名称などは、更新で変わる可能性があります。実機での動作確認は含みません。

Q1. Orcaとは何ですか?

A1. Orcaとは、Claude CodeやCodexなどのCLIエージェントを、タスクごとの独立したgit worktreeで並列実行し、1つの画面で管理するMITライセンスのデスクトップアプリです。GitHubのstablyai/orcaで公開されています。

Q2. Orcaは無料で使えますか?

A2. はい、本体は無料です。MITライセンスのオープンソースで、かかる費用はClaude CodeやCodexなど、エージェント側の契約分だけです。

Q3. 画面の要素を指定してエージェントに指示できますか?

A3. はい。Design Modeをオンにして要素をクリックすると、外側のHTML、計算済みCSS、スクリーンショット、対応するソース行が添付され、エージェントへ渡ります。逆に、エージェントがOrca内のブラウザの要素を操作する機能もあります。

Q4. OrcaはMarkdownビューアとして使えますか?

A4. はい。Markdownをリッチ表示で読み書きでき、Mermaid図もその場で描画されます。HTML、PDF、画像、CSV、Jupyterのビューアも備え、Cmd-Shift-Mでリッチ表示と生のMarkdown編集を切り替えられます。

Q5. メモリはどれくらい必要ですか?

A5. 待機時で400〜800MB、5エージェントの並列時で約10GBの報告があります。メモリが限られたマシンでは、並列数を絞るのが現実的です。

Q6. 権限バイパスは危険ですか?

A6. Orcaは起動時に、プリセットのエージェントへ権限確認を省くフラグを自動で付けます。worktreeはファイルやネットワークを閉じ込める仕組みではないため、失敗の被害が大きい作業は、Settings → Agents でManualに切り替えます。

Q7. Orcaにスマホアプリはありますか?

A7. はい。iOSはApp Storeの「Orca IDE」、AndroidはGitHub ReleasesのAPKで入手できます。エージェントの状態確認、入力待ちへの返信、stageとcommitが可能です。ワンタイムコードでペアリングし、2026年9月時点ではベータ版です。スマホだけでは使えず、デスクトップのOrcaを遠隔操作する窓口です。

Q8. Claude Codeのセッション履歴をOrcaで見られますか?

A8. はい。右サイドバーのAgent Session Historyで、Claudeを含む対応エージェントの過去セッションを一覧、検索、再開できます。~/.claude の履歴を読むため、素のターミナルで始めたセッションも表示されます。リモートのworkspaceでは、閲覧のみで再開はできません。

REVISIONS / 改訂履歴
REV.DATE内容
22026-10-16図解を描き直し(図面のデザインにそろえた)
12026-09-21初版
NEXT READ本棚から1本

AIで開発を組み直すなら、まずこの5冊から

入門・実践・設計まで、Claude Codeの本をレベル別に5冊選んで比べました。

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