仕事や読書をしている横で、画面の隅に小さな世界を置いておく。ふと目を向けると、雨が降っていたり、湖にシカが来ていたり、知らないうちに家が1軒増えていたりする。
そんな放置型の癒しゲーム「世界が、息をする。」(英題 A World at Ease、どちらも仮)を、Claude CodeとGodot 4.7で作りました。設計書を貼り付けて頼んだのが2026年10月18日の11時半ごろ。そこから19時前までの約7時間で、3Dの8ステージとドット絵の別モードまで入りました。
この記事は、その1日の制作ログです。まだ公開はしていません。

PARTS LIST /目次
どんなゲームか|何もしなくても、世界が少しずつ変わる
プレイヤーは観察者です。資源集めも、勝ち負けも、ゲームオーバーもありません。時間・季節・天候が移り変わり、生き物や人が勝手に暮らし、旅人がキャンプを張って、やがて小さな集落ができていきます。
設計書でいちばん大事にしていたのは、見ていない間にも世界が変わることです。ゲームを閉じていた時間も、戻ってきたときに半分の速さでまとめて進めます(最長7日分)。半分の速さにしたのはClaude Codeの判断で、一晩離れるたびに季節が2つ進むのを避けるためです。
プレイヤーにできるのは、軽い「きっかけ」だけです。雨を呼ぶ、蛍を呼ぶ、旅人を招く、地面に巣箱や焚き火を置く。置いた物は保存され、小鳥や人が集まる理由になります。
1日の流れ|指示は6回
Claude Codeに出した指示は、設計書の貼り付けを入れて6回です。時刻はClaude Codeの会話履歴から拾いました。
| 時刻 | 私の指示 | できたもの |
|---|---|---|
| 11:29 | 設計書を貼って「このゲームを作成して」 | 12:15に初版。湖畔の世界1つ、生き物11種、イベント約30種 |
| 12:24 | どの世界も似ている。ステージを増やして、見た目の質を上げて | 13:13に8ステージ版。生き物約55種、イベント101種 |
| 13:29 | まだ変化が少ない。ドット絵は「まったく新しい世界」で | 3D版はイベント220種へ。ドット絵は別のセッションで作り始める |
| 14:16 | 作業用なので作業支援ツールも。テキストより見た目のイベントで | 14:30に作業の道具箱。14:49にドット絵モードが完成 |
| 16:42 | まだ殺風景。人や動物の争い・会話・じゃれ合いを | 小物を大量に配置。3D版はイベント270種、ドット絵は148種 |
| 17:18 | タイトルに戻るボタンはある? | 3D・ドット絵の両方に「タイトル」ボタンを追加 |
指示の中身は、ほとんどが「まだ足りない」でした。1回で欲しいものを全部言えたわけではなく、できたものを見てから次を言っています。
最初の版は、どの世界も「真ん中に湖」だった
初版は45分ほどで動きました。設計書の「初期リリースの範囲」をひととおり満たしていて、季節も天候も集落の成長もあります。ただ、何度か世界を作り直すと、どれも同じ形でした。中央に丸い湖があり、そのまわりに森がある。

2回目の指示では、まとめてこう伝えました。どの世界も似ている、ステージを砂漠・町・雪山・洞窟のように増やしてほしい、家や人工物のあるフィールドもほしい、見た目重視のゲームなのにグラフィックが寂しい。
返ってきたのが8ステージ版です。湖の数と位置、川、海岸線、砂丘、町の街路が、世界の番号(シード)で変わるようになりました。描画も、Godotの標準設定から高画質なForward+に切り替わり、物陰の柔らかい影や水面の映り込みが出ています。

この一覧画像は、ゲームに付けた確認用の起動オプションで撮っています(後で詳しく書きます)。
「ドット絵」の意味が伝わっていなかった
2回目の指示で「ピクセル、ドット絵のバージョンも追加して」と書きました。Claude Codeが作ったのは、3Dの画面を粗く縮めてドット絵風に見せる表示切り替えです。
私が欲しかったのは、それではありませんでした。ファミコンやスーパーファミコンのような、ドット絵で描いたまったく別の世界です。3回目の指示で言い直すと、Claude Codeから「視点はどうするか」と質問が来て、見下ろし型(斜め上から箱庭を眺める形)を選びました。
ドット絵モードは、3D版とは別のClaude Codeのセッションで並行して作りました。3D版の増量と道具箱はもとの会話で、ドット絵は別の会話で。時間・天候・音の仕組みだけを共通にして、世界の中身はそれぞれ別に持っています。

ドット絵の素材も外部の画像は使っていません。パレットの記号を並べた文字列で1枚ずつ描き、それをコードで画像にしています。内部の解像度は400×225で、16×16のタイルを整数倍で拡大して表示します。
作業用だから、知らせは文字より景色で
このゲームは、作業中に画面の隅で動かしておくためのものです。そこで4回目の指示で、作業を手伝う道具を足してもらいました。画面右下の「作業の道具箱」に、ポモドーロタイマー、やることリスト、メモ、集中時間の記録、作業用の環境音(雨音・焚き火・波など)をまとめています。
このとき「作業用なのでテキストよりも見た目のイベントを重視して」と付け加えました。その結果、作業の節目は世界の出来事で知らせる形になりました。
| 作業の節目 | 世界で起きること |
|---|---|
| 集中の時間が終わる(昼) | 蝶・風船・小鳥のさえずり・虹のどれか |
| 集中の時間が終わる(夜) | ランタンが空にのぼる・流れ星・蛍のどれか |
| 休憩に入る | しゃぼん玉が飛ぶ |
| やることを1つ終える | 世界のどこかに花畑が1つ増える(保存される) |
終えたタスクの数だけ花畑が残るので、1日の終わりに世界を見ると、その日どれだけ片づけたかが景色でわかります。文字の通知は、初期設定では珍しい出来事のときだけ出ます。
「まだ殺風景」と2回言った
8ステージになっても、私の感想は「まだ変化が少なすぎる」でした。その後も「まだ殺風景」と、増やす指示を2回出しています。数の移り変わりはこうです。
| 時点 | 生き物 | 人の役割 | イベント(3D) |
|---|---|---|---|
| 初版(12:15) | 11種 | 旅人・住人など | 約30種 |
| 8ステージ版(13:13) | 約55種 | 約20 | 101種 |
| 増量1回目(13:59) | 約84種 | 約48 | 220種 |
| 増量2回目(16:54) | 約89種(虫を含む) | 約48 | 270種 |
2回目の増量では、数だけでなく「やりとり」を頼みました。人や動物の争い、会話、じゃれ合いを、現実に近い動きで。いまは数秒ごとに、カメラの近くにいる人や動物の組み合わせから、次のようなやりとりが始まります。
- 人どうし:身振りで話す、口げんかして片方が足早に去る、子どもの鬼ごっこ、キャッチボール
- 動物どうし:キツネがウサギを追う(ウサギは必ず逃げ切る)、子ヒツジのじゃれ合い、雄ジカの角突き合わせ、ネコのにらみ合い
- 人と動物:しゃがんで動物をなでる、犬がボールを取ってくる、子どもが駆け寄ると鳥がいっせいに飛び立つ
- 天気:雨が降り出すと、人が軒下や木の下へ走る
気持ちは文字ではなく、頭の上の記号(♥ ♪ ! ? … #)と動きで表しています。ここも「作業中に読ませない」という方針に合わせました。
テストを減らす工夫|全ステージを1回の起動で撮る
2回目の指示には「テストや動作確認は少なくなるように工夫して」とも書きました。ステージが8つあると、1つずつ起動して見た目を確かめるだけで時間がかかります。
Claude Codeが用意したのは、確認用の起動オプションです。
--gallery=出力先.png:全8ステージを順に作り、昼・夕方・夜・曇りを撮って1枚の一覧画像にまとめる。見た目と実行時エラーの確認が1回で済む--selftest:全イベント・全種の生き物・全部の介入・物を置く操作を一気に動かし、エラーが出ないかを見る--pixel-gallery・--pixel-selftest:ドット絵モードの同じ確認
上の8ステージの一覧画像も、この --gallery で撮ったものです。一覧を見て「砂丘が尖りすぎている」「雪山でカメラが斜面に埋もれている」といった崩れを見つけ、その場で直していました。
それでも全部は拾えません。17時過ぎにタイトルボタンの確認で撮った画面には、洞窟の中で雨が降っている様子が写っていました。

洞窟には天井がある設定なので、雨も雪も降らないように直してもらいました。天井の穴から雫が落ちる演出だけは残しています。
今の規模
| 項目 | 数 |
|---|---|
| ステージ | 3D 8種+ドット絵 6種 |
| イベント | 3D 270種+ドット絵 148種 |
| 図鑑 | 3D 281項目+ドット絵 93項目 |
| GDScript | 3D 42ファイル・約1万4千行、ドット絵 19ファイル・約8千3百行 |
| シェーダー | 11ファイル(空・地形・水・樹木・霧・虹など) |
| 音声素材 | 63ファイル(すべてPythonで合成) |
地形・木・動物・人・建物は、すべてコードで組み立てています。外部の3Dモデルや画像、音源は使っていません。環境音とBGMの音源は、Pythonのnumpyで波形を合成して作りました。
イベントは、tools/gen_data.py に1行足して実行すると、定義ファイルと図鑑が作り直される仕組みです。条件にはステージ・季節・時間帯・天候・雨上がりかどうか・森の育ち具合などを指定できます。
Claude CodeとGodotの組み合わせ方は、Godot MCPの記事にまとめています。Claude Code自体の使い方はClaude Codeの使い方から読めます。
次にやること
18時35分から、Claude Codeに「バグがなくなるまで修正して」と頼んでいて、この記事を書いている今も直している途中です。わかっている不具合のひとつは、世界を作り直したりタイトルに戻ったりしたときに、もう消えた物を後から動かそうとしてエラーが出るものです。
そのあとは、自分でしばらく画面の隅に置いて使ってみます。制作中の確認は、エラーが出ないことと画面写真が中心でした。音のバランスと、何時間も置いたときの変化の間隔は、実際に作業しながら確かめるしかありません。
同じClaude Code+Godotで作っている対戦ゲームの記録は、召喚士たちの戦場 制作ログ#1にあります。
今回の指示は6回で、そのうち3回は「まだ足りない」でした。最初に全部を言えなくても、動くものを見てから足りないところを言葉にする進め方で、1日でここまで来ました。
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途中経過は、また書きます。

